「ボーナスから思ったより税金が引かれていてびっくりした」「ボーナスにかかる税金の仕組みがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
ボーナスの手取り額を把握するには、税金・社会保険料の計算方法を理解しておくことが大切です。さらに、確定申告やiDeCoを活用することで、ボーナスにかかる税金を合法的に減らすことも可能です。
この記事では、ボーナスの税金の仕組みから節税策まで、わかりやすく解説します。ボーナス全体の使い道については夏ボーナスの使い道完全ガイドも参照してください。
ボーナスにかかる「4つの控除」

ボーナスから差し引かれるものは4種類あります。
- ①健康保険料:ボーナス額(標準賞与額)× 保険料率(約10%、会社と折半で本人負担は約5%)
- ②厚生年金保険料:ボーナス額 × 18.3%(会社と折半で本人負担は9.15%)
- ③雇用保険料:ボーナス額 × 0.6%(一般の事業の場合)
- ④所得税(源泉徴収):(ボーナス額 − 社会保険料)× 源泉徴収税率で計算
社会保険料(①〜③)の合計は約15%程度、所得税は前月給与をもとに決まる税率が適用され、合計すると手取りは額面の約75〜80%になります。
ボーナスの所得税の計算方法
ボーナスの所得税は「前月の給与」をもとに計算されます。具体的には以下の手順です。
- 前月給与から社会保険料を引いた「課税給与額」を算出する
- 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(国税庁の速算表)で税率を確認する
- ボーナスから社会保険料を引いた額 × 上記の税率 = 源泉徴収額
前月の給与が低い月(産休・育休復帰直後など)はボーナスの所得税が少なくなり、前月の給与が高いほどボーナスの税率も上がる仕組みです。
住民税はボーナスから引かれない?
住民税はボーナスから直接引かれるのではなく、毎月の給与から12分割で天引きされます。住民税額は前年の所得に基づいて計算されるため、今年のボーナスが高くても住民税は翌年(翌年6月〜)の給与天引きに反映されます。
この仕組みにより、転職・退職の際に「住民税の精算」が必要になることがある点も覚えておくとよいでしょう。
ボーナスの税金を減らす方法①:iDeCoの活用

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が「全額所得控除」になります。年末調整・確定申告を通じて所得税と住民税が軽減されます。
具体的な節税効果の例:
- 年収500万円・月2.3万円(年27.6万円)拠出した場合:所得税率20%・住民税率10%なら、年間約8.3万円の節税
- 年収800万円・月2.3万円(年27.6万円)拠出した場合:所得税率23%・住民税率10%なら、年間約9.1万円の節税
iDeCoはボーナスから直接拠出するわけではありませんが、給与から毎月積み立てることで所得を圧縮し、年税額を下げる効果があります。iDeCoの始め方についてはiDeCoを始める方法で詳しく解説しています。
ボーナスの税金を減らす方法②:ふるさと納税
ふるさと納税は、翌年の住民税が軽減される制度です。ボーナスが入ったタイミングで1〜2万円の上乗せ寄附をすることで、限度額いっぱいまで節税効果を得られます。
- ふるさと納税の限度額の目安(年収600万円・独身の場合):約7.7万円
- ふるさと納税の限度額の目安(年収600万円・配偶者あり・子供1人の場合):約6.5万円
限度額内であれば実質2,000円の自己負担で地域の返礼品をもらいながら住民税を節税できます。年内に寄附・ワンストップ特例申請をするか、確定申告で申告することで控除が受けられます。
ボーナスの税金を減らす方法③:確定申告の活用
会社員でも確定申告をすることで税金の還付を受けられる場合があります。以下に当てはまる方は確認してみてください。
- 医療費が年間10万円を超えた:医療費控除で所得控除が受けられる(10万円超の部分)
- 副業収入が年間20万円を超えた:給与以外の所得について申告が必要
- 住宅ローンを組んだ初年度:住宅ローン控除は1年目のみ確定申告が必要(2年目以降は年末調整)
- 年途中で退職した:源泉徴収が過多になっている場合、還付申告で取り戻せる
- 災害・盗難に遭った:雑損控除で所得控除が受けられる
ボーナスの税金に関する注意点
①ボーナスで社会保険料の「標準賞与額の上限」を超える場合
健康保険には「標準賞与額の上限」(年間累計573万円)があります。この上限を超えたボーナスには健康保険料がかかりません。一方、厚生年金には月ごとの上限(150万円/回)があります。高額ボーナスを受け取る方は影響を把握しておくと便利です。
②副業収入がある場合の注意点
副業で年間20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。ボーナスをきっかけに副業を始めた方は、収支の記録をこまめに残しておきましょう。確定申告の申告漏れがあると加算税・延滞税の対象になる場合があります。副業への投資については副業・スキルアップへの投資でも触れています。
③NISA・iDeCoの利益は申告不要
NISAは運用益が非課税のため確定申告不要です。iDeCoは受け取り時(一時金・年金)に課税されますが、現役世代の運用中は非課税で複利効果を享受できます。NISAの活用についてはNISAの活用法を参照してください。
手取りボーナスを最大化するための順番
ボーナスから税・社会保険料が引かれた後の手取りを有効活用するためのおすすめの順番は以下です。
- ①iDeCoを最大拠出:所得控除で税金を減らしながら老後資金を積み立てる
- ②ふるさと納税:翌年の住民税を減らしながら返礼品を受け取る
- ③NISAへの一括投資:税引き後の手取りを非課税で長期運用する
- ④残りを緊急予備資金・生活費・自己投資に配分:全体バランスを考えた配分
よくある質問(Q&A)
Q. ボーナスで税金が多く引かれた気がしますが、後で戻ってきますか?
年末調整で精算されます。医療費控除・iDeCo・ふるさと納税などを年末調整・確定申告に正しく申告することで、払いすぎた税金が還付されます。
Q. ボーナスの社会保険料は固定月給の社会保険料とは別ですか?
はい、別に計算されます。毎月の給与は「標準報酬月額」、ボーナスは「標準賞与額」に基づいて社会保険料が計算されます。それぞれ独立して計算される仕組みです。
Q. 確定申告はいつまでに行う必要がありますか?
翌年2月16日〜3月15日が申告・納付の期限です(還付申告のみの場合は1月1日から受け付け可能)。e-Taxを利用すれば自宅からオンラインで申告できます。
Q. ボーナス月に残業代が増えると税金が高くなりますか?
ボーナスの所得税は「前月の給与」を基準に計算されます。ボーナス月の前月(例:7月ボーナスであれば6月)の給与が残業代で高くなっていると、ボーナスの源泉徴収税率が上がる場合があります。ただし年末調整で最終的に正しい金額に精算されます。
まとめ:ボーナスの税金を知って、賢く手取りを増やす
ボーナスの税金は複雑に見えますが、仕組みを理解すれば「合法的に減らす方法」が見えてきます。iDeCo・ふるさと納税・医療費控除などを組み合わせることで、年間数万〜十数万円の節税も実現可能です。
税金を減らした分を投資・貯蓄に回すことが、長期的な資産形成をより加速させます。今年のボーナスを受け取ったら、ぜひ一度「自分の税負担とできる節税策」を確認してみてください。