「毎月保険料を払っているけど、本当に必要な保険に入れているのか自信がない」「ボーナスが入ったタイミングで保険を見直したい」という方も多いのではないでしょうか。
実は、日本人の多くが「保険に入りすぎている」という現実があります。不要な保険をやめるだけで年間10〜30万円の節約になるケースも珍しくありません。
この記事では、ボーナスのタイミングを活かした保険見直しの手順と、必要な保険・不要な保険の見分け方を解説します。ボーナス全体の使い道は夏ボーナスの使い道完全ガイドも参照してください。
なぜボーナス時に保険を見直すべきなのか
保険の見直しは「なんとなく面倒」で先延ばしにしがちですが、ボーナスのタイミングは以下の理由でおすすめです。
- お金の棚卸しをする機会になる:ボーナスを機に収支全体を見直す習慣がつきやすい
- 浮いた保険料を投資に回せる:年間10万円の保険料削減 → NISAへ10年投資で約130万円(年率5%想定)
- ライフステージの変化に気づきやすい:結婚・出産・子供の独立など、半年ごとの振り返りで変化に対応しやすい
保険の見直しは「削ること」が目的ではなく、「今の自分に本当に必要な保障を適正コストで確保すること」が目的です。
日本人が入りすぎている保険の実態
生命保険文化センターの調査によると、日本人の保険料の年間払込額の平均は約37万円(2021年度)とされています。これは世界的に見ても高水準です。
多くの方が必要以上に保険に入ってしまう理由として、以下が挙げられます。
- 保険営業の勧めで複数の保険に重複加入してしまっている
- 若い頃に加入した保険をそのまま継続している
- 「お守り感覚」で念のために残している
- 保険料が給与天引きになっていて意識しにくい
本当に必要な保険・不要な保険

優先度が高い保険(必要性が高い)
- 死亡保険(定期保険):扶養家族がいる場合は必須。子供が独立したら減額・解約を検討
- 就業不能保険:病気・怪我で働けなくなった場合の収入補償。公的な傷病手当金で足りない分をカバー
- 医療保険(最低限):高額療養費制度で自己負担には上限があるため、最低限の保障で十分というケースが多い
- 自動車保険(対人・対物無制限):任意保険は必須。万一の際に無制限保障がないと人生が狂うリスクがある
見直し・解約を検討できる保険
- 学資保険:低金利環境では利回りが低い。NISAでの積立の方が期待リターンが高い場合が多い
- 終身保険(貯蓄型):保険と貯蓄を分けた方が合理的な場合が多い
- ガン保険・三大疾病保険の重複:医療保険と内容が被っていないか確認が必要
- 個人年金保険:iDeCoやNISAの方が税制上有利なケースが多い
- 子供の医療保険:自治体の子育て医療費助成制度が充実している地域では不要な場合もある
保険見直しの具体的な手順
ステップ1:現在の保険を全て書き出す
保険証券・保険料明細をすべて引っ張り出し、「保険の種類・月額保険料・保障内容・解約返戻金」を一覧にします。全体像が見えることで、重複や不要な保険が見えてきます。
ステップ2:公的保障を確認する
民間保険の前に、公的制度でどこまでカバーされているかを確認します。
- 高額療養費制度:月の医療費が一定額を超えると払い戻しがある(年収に応じて上限が異なる)
- 傷病手当金:病気・怪我で休職した場合、給与の約2/3が最大1年6か月支給される(健康保険加入者)
- 遺族年金:死亡した場合、遺族に年金が支給される
公的制度で賄えない「上乗せ分」だけを民間保険でカバーするのが合理的です。
ステップ3:「必要保障額」を計算する
死亡保険の必要額は以下で概算できます。
- 必要保障額 = 家族の生活費(年間)× 末子独立までの年数 − 公的年金・貯蓄・配偶者収入
子供が独立した後や、資産が積み上がってきた後は必要保障額が大幅に下がることが多いです。
ステップ4:不要・重複している保険を解約・減額する
解約を躊躇う理由のひとつに「解約損」があります。ただし、終身保険・養老保険で解約返戻金が少ない場合でも、「今後払い続けるコスト」と「浮いたお金を運用した場合のリターン」を比較して判断することが重要です。多くの場合、解約して投資に回す方が合理的です。
ステップ5:必要な保険を適切な保険料で入り直す
解約後に改めて必要な保険だけを選ぶ際は、複数の保険会社を比較することが大切です。同じ保障内容でも保険料が大きく異なることがあります。
保険を見直して浮いたお金の使い方

仮に月2万円(年24万円)の保険料を見直して削減できた場合、この資金を投資に回すと以下のようになります。
- 年24万円をNISAで20年運用(年率5%):約794万円
- 年24万円をiDeCoで20年運用(年率5%)+節税効果:さらに有利
不要な保険料を投資に転換することが、老後資金の準備として最も効率的な方法のひとつです。NISAの活用法はNISAの活用法、iDeCoについてはiDeCoを始める方法で解説しています。
40代以降の保険見直しのポイント
40代は子供の独立・住宅ローン残高の減少・貯蓄の増加など、ライフステージが大きく変わる時期です。
- 死亡保険は段階的に減額:子供が独立したら高額な死亡保険は不要になる
- 就業不能保険はまだ必要:65歳退職まで収入を守る保障は残しておく
- 医療保険の見直し:蓄えが増えてきたら自己負担を増やして保険料を下げる選択肢もある
- 介護保険は50代以降に検討:介護リスクは50代以降に高まるため、早すぎる加入は必要ない場合が多い
40代の資産形成全般については40代の夏ボーナスの賢い使い方も参考にしてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 保険を全部解約して大丈夫ですか?
扶養家族がいる場合は死亡保険・就業不能保険は残すことをおすすめします。独身で貯蓄が十分にある方なら保険なしという選択肢もあり得ますが、万一の際のリスクを踏まえたうえで判断してください。
Q. 保険の見直しは保険代理店に相談すればいいですか?
保険代理店は無料で相談できますが、販売手数料が発生するため、特定の保険を勧められる場合があります。FP(ファイナンシャルプランナー)への有料相談は中立的なアドバイスが得やすい場合があります。
Q. 健康状態が悪化してから保険を入り直すと高くなりますか?
はい、加入時の健康状態によって保険料や引受可否が変わります。解約前に新しい保険に加入できることを確認してから解約することを強くおすすめします。
Q. 保険料を減らした分、どこに回すのが最もおすすめですか?
まずは緊急予備資金を生活費の3〜6か月分確保したうえで、iDeCo・NISAへの投資が最も効率的です。緊急予備資金については緊急予備資金を作る方法で解説しています。
まとめ:ボーナスのタイミングに保険を棚卸しする
保険の見直しは、知識があれば自分でできる「節約の中で最も効果が大きい行動」のひとつです。不要な保険料を削減し、浮いたお金を投資に回すことで、老後資金の準備が大きく加速します。
ボーナスが入るこの機会に、保険証券を引っ張り出して「本当に必要かどうか」を一度確認してみてください。その一手間が、10年後の資産に大きな差をつけることになります。